そこに仁義はあるのか(仮)

略してそこ仁!

『技術をつたえるテクニック』は書籍執筆前に読みたい一冊だった

@mochikoAsTechさんが書かれている「技術をつたえるテクニック ~分かりやすい書き方・話し方~」という同人誌が、書籍を書く前に本当に出会いたかった一冊でした。
書籍の執筆以外でも仕事やブログなどで文章を書く機会は多くあると思いますし、登壇に関してのノウハウも書かれています。
すぐにでも実戦で使えるテクニックが薄い本にギュッと詰まっていて、サクッと読めるけど学ぶことが多く、すごくオススメです!

booth.pm

📖 目次

  • Chapter1. 技術を文章で分かりやすくつたえる
    • 1.1 読者層をはっきりさせよう
    • 1.2 「すんなり入ってくる」ための工夫
    • 1.3 一度に沢山のことはつたわらない
    • 1.4 事実は時代とともに変わる
    • 1.5 分かりやすさを支える統一表記
    • 1.6 読者を迷子にさせないで
    • 1.7 できるだけ簡潔にしよう
    • 1.8 推敲は文章の品質を上げる
  • Chapter2. 技術を登壇で分かりやすくつたえる
    • 2.1 段取り八分現場二分
    • 2.2 前に立って話すときのテクニック
    • 2.3 つたえるときの心のあり方
  • Chapter3. 教わり上手をはじめよう
    • 3.1 分からないを正直に言うことこそ最初の一歩
    • 3.2 地蔵にならず反応を返そう
    • 3.3 おわりに

💬 感想

第1章では文章を書く上で、第2章では登壇をする上で、必要となる『テクニック』について書かれています。
本のタイトルにもある『テクニック』という言葉が内容にビッタリと合っていて、意識すれば明日から使える具体的なポイント / 注意点がたくさん書いてあります!
私も以前「いちばんやさしいGit&GitHubの教本」という書籍を書いたのですが、その時にレビューで指摘いただいた内容がとても盛り込まれていました…!くっ…!書籍を書く前に出会っていれば…!

syobochim.hatenablog.com

1.5.4 表記ゆれのチェックはツールでやろう

「いちばんやさしいGit&GitHubの教本」を書いた時にとても便利なツールを教えていただきました。それが「テキスト校正くん」というVisual Studio Codeのプラグインです。
このツールを使うと一般的なルールに基づいた文章チェック(「ですます」調と「である」調の混在など)や、設定した単語の表記ゆれのチェック(「サーバー」と「サーバ」)を自動で実施してくれます。
テキスト校正くん - Visual Studio Marketplace

「技術をつたえるテクニック ~分かりやすい書き方・話し方~」でも、ツールでの文章チェックを推奨しています。「テキスト校正くん」と同じような自動で文章チェックをしてくれるツールとして、Visual Studio Codeのプラグインの「vscode-prh-extention」が紹介されていました。
prh - ProofReadingHelper - Visual Studio Marketplace

「いちばんやさしいGit&GitHubの教本」は共著であり、二人の書き言葉の統一をするため、特に表記ゆれのチェックはとても助かりました。
そして、自分一人で書いた文章にも表記ゆれが本当にたくさんあったので、自動チェックまじで大事!!

1.7.1 「ということ」「することができる」は必要?

「ということ」「することができる」を使うと文章が冗長になるので、文章の並び順序を変更したり、冗長な部分を削除して簡潔な文章になるように意識しましょう。

細かいポイントですが、私は特にこの内容が響きました…。
私の書き癖として、「することができる」を無茶苦茶たくさん使ってしまっています…。そして、やはり書籍レビューでも指摘をいただきました。
例えば、以下のような感じ。

before

バイナリファイルでは、git diffコマンドでファイルの変更差分を確認することは出来ません。

after

バイナリファイルではgit diffコマンドでファイルの差分を確認できません。

レビューで指摘されて初めて、この書き方が冗長な表現だと認識しましたし、普段書いている文章にも多用してしまっているなうああ、と…。

💬 まとめ

自分が特に印象に残っている2つの内容を取り上げましたが、それ以外にも書いてあることの多くが実際に書籍レビューにて指摘されました。(なので、この本を読んでいると刺さる部分が多くて心が痛くなる…。w)
執筆前にこの本の内容をしっかり自分の中に落とし込んでいたら指摘数も変わっただろうな…。

そして、冒頭にも書きましたが、文章だけでなく登壇のテクニックについても書かれてあるので活かせるタイミングは多いのではないでしょうか。
この本に書いてあるテクニック自体はそれぞれがすぐに実践できる簡単なものが多いですが、自分の書き癖・登壇時の話癖ってあると思うので、繰り返しInputしたい一冊です。

あ、「【コラム】真面目な後輩に説明を聞いてもらえないのはなぜ?」も、「クゥ…!わかるぜ…!」という内容で面白かったです。

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