そこに仁義はあるのか(仮)

略してそこ仁!

統制から協働へ『アジャイルリーダーシップ』を読んだ

翻訳者の一人である @yuya_hirooka さんからいただいたアジャイルリーダーシップを読みました。献本ありがとうございます!

この本では、「アジャイル」については知識がある前提で、チームや組織をアジャイルにしていくためのリーダーシップについて学べます。
書籍にも書いていますが、アジャイルリーダーシップはプラクティスではなく「心のあり方」です。
そのため、書いていることが考え方にフォーカスしていて抽象的だと感じるものが多く、実践が難しいかもと思いながら読んでいたんですが、ふと「あれ?でも、今の会社・組織ってアジャイルリーダーシップ出来てるな。」と感じました。
その辺りも含めて、本の感想をまとめます。

📖 目次

  • 第1部 アジャイルリーダー ――隠れたリーダーシップを解き放とう
    • 第1章 すべての始まり
    • 第2章 リーダーシップは心のありよう
    • 第3章 組織の進化
    • 第4章 アジャイルリーダー
    • 第5章 アジャイルリーダーシップモデル
    • 第6章 コンピテンシー
    • 第7章 メタスキル
    • 第8章 アジャイルな組織をつくる
  • 第2部 アジャイル組織のさまざまな側面
    • 第9章 ビジネスアジリティ
    • 第10章 アジャイル人事・財務
    • 第11章 ツールとプラクティス
    • 第12章 まとめ

📖 アジャイルリーダーとアジャイルな組織

書籍のざっくりまとめ

アジャイルリーダーは「心のありよう」なので、権力と紐付けるという概念がありません。
誰もがリーダーになり、自分自身の行動や振る舞い、そして周りの人を助けることで影響力を発揮していきます。
権力ではなく、影響力を活用して組織を変えていくのがアジャイルリーダーシップです。
アジャイルリーダーに大切なことは「コラボレーションと信頼」「分権化」「継続的な適応と柔軟性」「協力とチームワーク」です。
人に指示・命令をする「リーダーとフォロワー」の関係から「リーダーとリーダー」の関係性に変えていき、人が自らリーダーになることを助けます。

アジャイルな組織がとるべき特定の形もありません。アジャイルな組織では、曖昧性を味方にして、柔軟性・高い適応力を身につけていきます。
アジャイルの価値基準を組織全体に行き渡らせて、小さな群れが同じ価値で同じ方向に進んでいくように動いていきます。
みんなが意思決定をし、責任を引き受けます。

今の組織

私が所属している会社でも、「一人一人がリーダーとして日々の活動をする」という考え方があります。
マネージャーかどうかは関係なく、全員がリーダーとしていくつかの信条のもとに行動します。
その信条の中には、スピード感を持って行動することや、会社全体のためにオーナーシップを持って行動すること、相手に敬意を持って接することなども含まれています。
ただただ信条が決められているだけでなく、日々の活動や360度評価の中にもこの信条は組み込まれていて、きちんと運用されている状態になっています。

また、より早く、より多くのイノベーションを実現できるように、組織の大きさはピザが2枚で足りるくらい小さな、5〜10人のチームになっています。
価値を提供するための組織には説明責任と権限や環境が与えられています。

🤝 コラボレーション

書籍のざっくりまとめ

アジャイルな組織では統制ではなく協働の考え方が重要です。
マインドセットを変えていき、共有の目的を持つことでコラボレーションを強めていきます。
焦点を、「私」(個人)から「私たち」や「世界」に向けていきます。
個人の力を重視するのではなく、重要なのは人と人とのつながりです。従業員同士が関係性を築くための場に投資します。

今の組織

今の会社では、チームはもちろん、チーム間をまたがったコラボレーションやコミュニケーションが活発に行われています。
特に、Solutions Architectは自分の得意領域に合わせたバーチャルチーム(普段所属しているチームとは違う、仮想的なチーム)にも所属できます。
バーチャルチームは自分のスキルセットに合ったものを希望して所属できます。
仕事の中で専門家に聞きたい場合は、そのバーチャルチームに対して問い合わせると、詳しい人が助けてくれる仕組みがあります。
(他にも、いろいろな機会に合わせてバーチャルチームは作られたり解散したりします。技術についての話が合う人と会話ができるの楽しい。)

まとめ

この本は各所にエクササイズがあり、自分自身の考え方や組織の評価を考える機会が与えられています。
私はサクサク読んでしまいましたが、多分このエクササイズをチームの人と一緒に実施していくことで、この本が与える価値が何倍にもなっていくんだろうなと感じました。
書籍でも「組織が今どこにいるかを認識することから始まる」と書かれています。
組織を変化させるにはマインドや文化の変化が必要で、変化には時間がかかるから忍耐が必要。どんなマインドで組織をアジャイルにしていくのかを学べる一冊でした!
@yuya_hirooka さん、ありがとうございます!